テーマのこと
テーマ : 制作日記
首里天楼の内装に使う新作壁画を描きます。
琉球史をテーマにした【琉球絵巻シリーズ】は次で5作目です。
その内容の前に、今まで描いてきた壁画にもそれぞれテーマがあったので
自分の中でのおさらいも兼ねて、今日はこれまでの絵のテーマについて書いてみます。

1作目は2007年前半に制作した龍潭重陽宴圖です。
1714年に首里城を中心に行われた冊封の儀式の一つ、重陽の宴の場面を描きました。
舞台は首里城のすぐ近くにある龍潭池、冊封の為にやってきた中国の使者を迎えてもてなすため、池に三艘のハーリー舟を浮かべて競争したり、芸能を披露して楽しませたということです。中国使者の記録に細かい描写やイラストがあったので、それをもとに想像して描きました。城内で行われる行事と違って、首里の一般の人たちも沿道に集まって華やかな宴を見物していたそうです。
18世紀前半というのは、琉球王国の第二の黄金時代といわれています。薩摩の琉球侵攻から1世紀あまり経って、日中両属という複雑な立場に置かれながらも、人々がこの災難から立ち直り、今につながる独自の琉球文化が次々に生み出された、という時代なんです。
この時代に活躍した人物は蔡温、名護親方(程順則)、玉城朝薫、高嶺徳明、平敷屋朝敏…沖縄の偉人といわれる人がこの時代にたくさん登場します。
この絵のなかに上記の偉人は出てきませんが、首里城や冊封使の豪華な佇まいと一緒に、華やかな行事に熱狂する人々、首里士族の立派な邸宅などを一場面に詰め込む事で、【文化的黄金期の熱気】…みたいなものが表現出来ないかなと考えました。
これがこの絵のテーマでした。
絵の雰囲気は、狩野派の屏風絵みたいなのを目指してましたが……?
今見るといろいろ恥ずかしいけども、思い出深い最初の作品です。
実は私は、首里天楼の内装画を描くために琉球史の勉強を始めました。
なので2007年以前は沖縄の歴史についてほとんど何も知らないも同然でした。
はじめはとにかく簡単そうな本を何冊か読み、通史を頭に叩き込んで、それから気になった人物について調べたりしていました。
おそらく多くの人が名前くらいなら知っていそうな人物のことが何となくわかってきたあたりで、この「第二黄金時代」に興味を引かれていったと記憶しています。
…一つの絵のテーマで、けっこう長くなってしまいました。
残りは明日に続きます。。
